ローマ人への20の質問(著:塩野七生)

ローマ人への20の質問 (文春新書)

ローマ人への20の質問 (文春新書)

お馴染み塩野七生さんの著作。古代ローマやローマ人に対して我々が抱いている疑問を対話を通じて答えていく形式で、数年振りに読み返してみたがやはり面白い。
ちょうど『ローマ人の物語』の8巻までが刊行され9巻を準備している時期に書かれたものとのこと。9巻というといわゆる五賢帝トライアヌスハドリアヌスアントニヌス・ピウスの3人の治世を扱っており、まさに帝政ローマ最盛期であると言える。最終章で彼女自身が述べているように、この本は現代の視点からだけではなく帝政ローマ最盛期と現代からの視点を混在させて描かれており、そのため隆盛を誇った帝国の衰勢から滅亡までについては触れられていない。


話は飛ぶが、真・善・美についてと題された章でローマ人が絶大な影響を受けたギリシアの美的価値観について述べられている際に、プラトンの『饗宴』が実に3ページにわたって引用されているのだが、内容を完璧に忘れていた(汗)
学生時代に手に取ったはずなのだけど本棚に見当たらないので、購入して読んだのではなく何かの拍子に借りるか何かして読んだようだ。このあたりも時間を作ってまとめて再読しておきたい。


イチ