皇帝たちの都ローマ 都市に刻まれた権力者象(著:青柳正規)

マリウス、スッラ(スラ)、ポンペイウスカエサル、そしてアウグストゥスら歴代皇帝を経てコンスタンティヌスによるコンスタンティノポリスへの遷都まで、時の最高権力者たちによるローマにおける公共事業や都市設計を通して権力者象を描いた一冊。


古代ローマ時代については塩野七生さんの著書を読む機会が多いので、こうして別の視点からか書かれたものを読むのは刺激があって面白い。
400ページ弱あり新書にしてはかなりボリュームがあるが、そのうち実に100ページほどをアウグストゥスの治世に充てている。時代によって権力者たちの行った公共事業の質と量と性格が当然変化するのだが、その背景や意図についての解説がとても面白かった。とは言え一度ですべて理解しきれるものでもないので、おさらいのために近いうちにまた読み直してみよう。


フォロ・ロマーノ(フォルム・ロマヌム)周辺に建設された建物群に関する記述は、新婚旅行で訪れたローマの記憶を呼び起こしてくれる。

新婚旅行での一枚。カピトリーノの丘からのフォロ・ロマーノの眺め。遠くにコロッセオも望んでいる。
ローマ市内を足を棒のようにしながら歩き回ったのが懐かしい!


イチ