レミーのおいしいレストラン(2007年)
- 出版社/メーカー: ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント
- 発売日: 2007/11/14
- メディア: DVD
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ややネタバレも含んだり含まなかったりするので、まだ観ていない方で今後観る予定のある方はご注意あれ。
さすがはディズニー。絵もプロットも質が高くて最後まで楽しく飽きさせません。
しかし個人的には、なぜだか肝心の料理があんまり美味しそうじゃなかったんですね。最新のCGを使って作画にこだわり抜いた(であろう)、そして登場人物たちがいろんな言葉を使って「美味しい」ことを表現したはずの食べ物が。
アニメで言えば、例えばかつていくつかのジブリ映画で観たような粗末な目玉焼きとトーストやハム、日本昔ばなしのてんこもり白飯の方が遥かに美味しそうに、時には香りまで感じられたような気がする。で、なんでだろうと考えてみたのですが、これは自分がフランス料理の味を脳内で再現できないこと、子供の頃に比べて自分の感受性が減退したことというのもあるのだろうけど、そのシーンの中での食べ物の扱いにも原因があるんじゃなかろうかと。
この映画の中では、基本的に料理を食べる人が飢えていないでしょ。飽食の時代の舌の肥えた人間の「おいしい」には、人に訴えかける切実さに欠ける。
ただ、後半イーゴがラタトゥーユを食べて、貧しかった少年時代の母の味を思い浮かべるシーン。あれはよくある展開といえばよくある展開なのだけど、解っていながらちょっと良いなと。思わず、美味しんぼの京極さんが四万十川の鮎の天婦羅を食べて涙を流したシーンを思い浮かべてしまったのですが(笑)
色々書いてしまっていますが、楽しい映画でした。
(イチ)