弘明寺の伯母の家へ

せっかく横浜まで出てきたので、弘明寺に住む伯母の家へ遊びに行くことに。
小さな頃は毎年遊びに行っていたのだけれど、成長するに従って足を向けなくなっていたので、大人になってからは初めて訪れるのではないだろうか。



駅前の様子や途中の道程など自分でも驚くほどきれいに記憶から無くなってしまっていた中、唯一と言っていいほどきちんと記憶に残っていたのが、駅前の踏切を渡ったところにある果物屋さん。
休日とあって生憎店は閉じていたけれど、昔はここでスナックパインを買ってお土産にしていたのだった。その美味しさは幼心に衝撃的で、「パイナップルさえあれば生きていけるんじゃないか」と子供なりに真剣に考えたりしていた(笑)
この辺はもともと山がちな地域で、伯父が家を建てた40余年前は駅から山を越えないとならなかったらしく、伯母のお父さん(=僕のお祖父さん)は山梨の田舎から出てきて一言「これじゃウチと変わらねぇじゃねぇか!」と言ったのだとか。今は切り通しの道ができているので楽に歩けるのだけど、途中で「多分当時はここを登った」と母が教えてくれた階段は見事に小山の上の方へ続いていた。


急な訪問にも関わらず伯父も伯母もとても歓迎してくれたけれど、母が昼食後に電話をして遊びに行くことを告げていたものの、気を使わないよう僕ら夫婦がいることを言わなかったので、ずいぶん驚かせてしまったかも知れない。
お酒好きの伯父へ焼酎を買っていったのだが、先日手術をしたばかりなのでお酒はダメ。僕らだけ少しビールを頂いてしまった。



帰りに、駅名の由来となった弘明寺に立ち寄った。小さな頃から何度もこのあたりに来ていたのに、お寺へ来たのは初めて。
西暦721年にインドから渡来した善無畏三蔵法師によって開かれたというこのお寺は、鎌倉時代には源治の祈願所として、江戸時代には坂東三十三箇所の第14札所として信仰を集めたらしい。
重要文化財に指定されているという十一面観音立像は拝むことができなかったが、身代わり地蔵にお参りして帰途に着きました。


イチ