読みかけ

氷川清話 (講談社学術文庫)

氷川清話 (講談社学術文庫)

自分は歴史好きなのですが、ある傑出した人物の業績よりもどちらかといえばその当時の情勢や風俗、民衆の暮らしだとかを好む傾向にあるようです。というのも歴史は一人の天才が動かすのではなく時代のうねりが作り出すもので、歴史に名を残す人物はそのうねりが産み出したものだと考えているからだと思う。言い方を変えれば、時代がその時々に必要な人物を要求するんじゃないだろうか。

だから極論を言えば、仮に歴史に名を残したある偉人が存在しないか偉業を行う前に夭折してしまっていたとしても、歴史は大して変わらないだろう。大抵の場合は誰かほかの人物がその人の果たした役割を演じていたと思う。


幕末期についてもとても面白い時代だとは思いつつも、いわゆる維新の志士だとか新撰組とかにはあまり興味が湧かなかったのもおそらくそういう理由からなのだと思いますが、やっぱり知れば知ったで面白い。(それでも新鮮組にはあんまり興味を覚えないけれど)


この時代の面白さは何かに似ているなと考えていたのですが、そうだ、カンブリア爆発の面白さに似ているんですよ。古生代カンブリア紀の約5億年前に起こった多細胞生物の『爆発』とまで称される急激な多様化。まるで生物の進化の実験を行ったかのようなこの時代のバージェス動物群と呼ばれる動物たちをみると、実際にはその多くが淘汰されていってしまう様々な別の形の未来の形が提示されているような気がする。これって、旧幕藩体制を崩壊させ新しいこの国の在り方を探し求めていたあの時代にちょっと似ている、と個人的には思います。誰の同意も求めないけど(笑)


上にあげた勝海舟の談話集は、生前雑誌や新聞の対談など様々な機会に語った内容をまとめたもので、それだけに勝らしい歯に衣着せぬ発言を生き生きと描写してくれています。
まだ拾い読みしかしていないのだけど、拾い読みだけで多分ほとんど読み通してしまいました。本腰を入れて読むのはまだもうちょっと先になりそうなので、いま思いついたことをメモしときます。


イチ