ヨコハマメリー（2005年）

レイトショーで「ヨコハマメリー」を観てきました。
ハマのメリーさんをご存知でしょうか？
顔を真っ白に塗り、白いドレスに白いパラソル。
1995年忽然と姿を消すまで、戦後50年横浜の街頭に立ち続けた伝説の娼婦です。

親しかった人達のインタビューを中心に、戦後の横浜とメリーさんの写真を映したこのドキュメンタリー映画。
とてもよかったです！

メリーさんの映像はほとんどないので、写真中心でしたが、老いてなお街角に立ち続けた横顔、荷物をもって歩く曲がった背中、柱によりかかりしゃがみこんでいる疲れた姿、なのに施しは受けないという凛とした視線。(実際チップやお花代でないと受け取らなかったそうです)
堂々とした立ち居振る舞いといい、丁寧な言葉使いといい、決して媚びない態度といい、メリーさんの伝説たる所以が垣間見えました。

もちろん怖い、気持ち悪いという意見もありましたが、戦後の価値観がひっくり返ったあの時代をくぐり抜け、現代まで一貫して貫き通した生き様に対し、簡単に言葉で表現できないし、してはいけないと感じられました。

この映画はメリーさんの生い立ちやなぜ横浜に立ち続けたかの説明は一切ありません。でもそれでいいと思います。
彼女の名は「ヨコハマメリー」変わりゆく横浜を見続けてきた、伝説のハマのメリーさんです。

（ハギ）